浄水器、何を選んだらいいの? 種類がたくさんありすぎてわからない……。店頭やコーディネーターさんに薦められるまま購入したけどこれでよかったのかなぁ……。そんな声をよく聞きます。

しかし、正しい「浄水器」選びは難しいことではありません。ポイントは、まず「目的(用途)」と「予算」を整理し、次に「性能(浄水能力)」を選ぶ。それだけです。

私は30年以上、アメリカ製の浄水システム「シーガルフォー」の日本総代理店代表を務める中で、水についての化学を学び、人にとっての安全な水とは、美味しい水とはについて多くの時間を割いてきました。 その一方で、浄水器についての数々の誤解や間違った説明をしている方々も目にしてきました。そうした知識と経験を圧縮して、失敗しない「浄水器」選びの方法を紹介いたします。

このページの目的は、あくまでも浄水器について正しい理解をしていただくことです。キッチンのリフォームやご家庭の浄水器の見直しを検討されている方に、参考にしていただければうれしいです。

▪文/引地正修
グランドデュークス株式会社代表取締役。1986年以来、シーガルフォー浄水システム製造元・米国ゼネラルエコロジー社日本総代理店の代表を努め、真に安全な水を提供することをミッションとしてきた。最新機種「シーガルフォー ELITE」では、開発企画も手がけている。

浄水器に何をお望みですか? まず、「目的(用途)」を整理しましょう。リフォームや暮らしの変化をきっかけに、家庭の浄水器の見直しを検討されている方に話を聞くと、9割以上の方が「おいしくて安全な水」とお答えになります。

「おいしい水」とは、浄水器では第一に「カルキ臭がしない水」のこと。というのは、日本の水道水は法律で塩素殺菌が義務づけられていて、蛇口時点での〝残留塩素〞0.1mg/L以上(目標値は1mg/L以下)を保持するように定められており、カルキ臭や塩素臭さが残るのはやむを得ないことです。むしろこの匂いや味があるから微生物学的には安全と言えます。この感覚的な匂いと味を浄水器で取り除きたいわけです。

第二に「安全な水」は、水に有害物質が混じっていないこと。日本の水道水が衛生的に世界トップレベルなことはもちろんですが、2021年9月15日にも神奈川県の保育園の水道水から基準の290倍もの細菌が検出され、園児や職員が下痢を起こす事件があったように、いくら浄水場で高度な浄水処理や殺菌をしても蛇口に届くまでの間に有害細菌やウイルス、農薬など有害な化学物質が混じらないとは言い切れません。この点は浄水器それぞれの「性能(浄水能力)」と関係するため、後半(→「浄水カートリッジ」は、たった2種類!?)で詳しく解説します。

浄水器を使うことでカルキ臭などのない「おいしい水」を手に入れるだけが「目的(用途)」なら、「ポット型」が最も低予算(初期投資)で済みます。

特徴

容量1〜2L程度のポットに浄水カートリッジが付き、水道水を注いで浄水をつくります。
浄水カートリッジは、最も安価で一般的な活性炭。残留塩素やカビ臭、汚濁などもある程度除去できます。

メリット

ポット型は、「冷蔵庫に入れておけば冷たい水がいつでも飲める」というお手軽さがあります。

デメリット

除去できる有害物質が限られることに加え、大量に使用するには不向きであることがあげられます。また頻繁にカートリッジ交換する必要があり、コストは意外に高くつくことがあります。

特徴

次に、低予算(初期投資)なのは「蛇口直結型」。ご家庭の「蛇口に取り付けるだけの手軽さ」と「コンパクト」な点が魅力です。

メリット

蛇口に取り付けるため、使用する水量に制限はなく飲料用だけではなく、大量に水を使用する調理時にも使えます。

デメリット

カートリッジのサイズが限られるため、除去できる有害物質が限られます。またポット型同様にカートリッジの交換時期が短いため、こちらも意外とコストがかかります。

特徴

どうせなら、蛇口そのものが浄水器だったら……。そんな要望に応えてヒットしたのが、「蛇口一体型」浄水器です。

メリット

蛇口と一体となっているため、キッチンの見た目がすっきりします。また原水と浄水の切り替えがボタンででき、操作が簡単です。

デメリット

デメリットは、カートリッジのサイズや性能面で「蛇口直結型」とほぼ変わりません。しかし、カートリッジのサイズや性能は、蛇口直結型より、劣ることもあります。

そもそも浄水器は、何のために導入するのか?
本当に「おいしくて安全な水」を手に入れるためなら、多少の予算(初期投資)はかかっても、
ある程度の「浄水能力」と「総ろ過水量」が確認できている家庭用浄水器としての
「カウンタートップ型」「アンダーシンク型」が適しているでしょう。

特徴

浄水器本体の設置場所がキッチンカウンターの上の「カウンタートップ型」、シンク下などに格納する「アンダーシンク型」。浄水器の心臓部とも言える浄水カートリッジは、基本的に同じです。

メリット

有害物質の除去率が高いことに加え、大量の水を生成できることもメリットになります。またカートリッジも他のタイプに比べて長持ちする傾向にあります。「カウンタートップ型」は取付が手軽で掃除もしやすく、カートリッジの交換も容易、「アンダーシンク型」が、カウンタートップがすっきりするというメリットがあります。 どのメーカー、ブランドもたいていは両方用意されているので、どちらを選ぶかはキッチンの状況や予算でお選びください。

デメリット

「カウンタートップ型」は場所を取るなどのデメリットがあり、「アンダーシンク型」は設置工事が必要、掃除がしにくい、カートリッジ交換が面倒、また専用水栓も必要なので価格が高くなりがちというデメリットがあります。

それより大切なポイントは「浄水カートリッジ」そのものです。
メーカーやブランド、デザインもさまざまな浄水器ですが、実は〝違い〞は「浄水カートリッジ」に尽きると言っていいからです。
そして浄水カートリッジは、突き詰めれば2種類。「限られた化学物質を80%以上除去すればいい」浄水カートリッジか?
あるいは「あらゆる有害物質を限りなく100%除去する」浄水カートリッジか?この2つしかないのです。

日本で販売されている浄水器には、家庭用品質表示法(JIS規格)に基づく品質表示が義務づけられています。

【家庭用品品質表示法】において浄水器の定義は「遊離残留塩素を除去する機能を有する物」であるため「遊離残留塩素」は必須の除去対象物質です。さらに必要検査物質として濁りや揮発性のトリハロメタン類農薬、カビ臭、重金属の11項目があります。

いずれの物質も除去率80%になるまでの総ろ過水量を表示することになっています。つまり除去率80%以上であって、100%ではありません。除去できる定義が80%ということなので、20%除去できなくてもよしとしています。

また前半でも触れたように有害細菌や寄生虫・ウイルスなどは対象とされていません。失敗しない浄水器選びの最後の基準がまさにこの点です。

用途として「かなりの程度、水の安全性を担保できる」ことと、予算として「価格が抑えられる」バランスの取れた選択だと言えるでしょう。

現在確認できるもので、この条件を満たしているのは米国ゼネラルエコロジー社が開発製造するストラクチャード・マトリックス・テクノロジーという浄水技術です。
水のお困りごととは何かを追求。色・味・匂いの原因、粒子や微生物・化学物質を分けて除去することの必要性、加えて化学物質の中でもミネラルに該当するものは除去しないようにデザインすることで、淡水であれば蛇口からの水に限らず、井戸や池や川などのアウトドアの環境でも、安全で美味しい水を作ることができます。
しかも研究所の中の実験結果だけではない、すでに多くの場面で使用され、試験され、すでに実績がたくさんあるのもこのメーカーの特徴です。
元々は飛行機の中のタンクの水を浄化することが目的でした。今でもエアバスをはじめ多くの航空機製造メーカーや世界中の航空会社で採用されています。 しかしこの技術でもパーフェクトではなく、これを超える技術が出ることを期待しています。

米国ゼネラルエコロジー社の浄水技術「ストラクチャード・マトリックス」にご興味がおありの方はシーガルフォーELITEのブランドサイトをご覧いただければ幸いです。
シーガルフォーELITE