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シーガルフォーのPFAS除去試験データを深掘りしてみた

近年、耳にする機会が増えた「PFAS(ピーファス)」は“Forever Chemicals”とも呼ばれる有機フッ素化合物群で、自然界でほぼ分解されず、長期的に体内や環境に蓄積することが問題視されています。

>PFASについて詳しくはこちら

今回は、シーガルフォーのPFAS除去試験データを深掘りし、その意味とポイントを解説します。

投稿日:July 18、 2025   |  読了:8分  

カートリッジ限界まで続く100%除去性能

今回のPFAS除去テストは、下記のように実施された。

・シーガルフォーの代表的な家庭用モデルである「RS-1SGE」カートリッジを使用
・第三者認証機関NSFの試験手順に準拠し、家庭での実使用に近い条件で実施

試験の結果、カートリッジの総ろ過容量である約3,800Lに達するまで、PFASは一切検出されず、常に100%の除去性能を維持していることが確認されました。この結果は、カートリッジが寿命に至るまで安定した浄水能力を発揮できることを示しています。

試験の方法と、測定データについて

シーガルフォーのメーカーである米ゼネラルエコロジー社発行の2ページの報告書のうち、1ページには下記の試験実施方法・条件と測定データが記載されています。

試験について

<試験の条件>

Summary of NSF Testing of RS-1SGE cartridges (2) for PFAS Reduction
→PFAS除去のためのRS-1SGEカートリッジ(2本)のNSF試験の概要

・NSF:米国の第三者認証機関(NSF International)
・RS-1SGE:シーガルフォーのカートリッジ型番
・(2):試験で2本のカートリッジを用いたという意味

Standard Protocol: NSF/ANSI 53-2022→NSF/ANSI 53(2022年版)規格に基づいた試験

・NSF/ANSI 53:飲料水処理装置の健康影響(鉛やPFASなど有害物質除去)に関する性能評価規格
・2022:2022年版の規格→ つまり、“NSF認証の性能評価手順”で行った試験ということ。

Cartridge: RS-1SGE→試験対象のカートリッジはRS-1SGE

Flow Rate: 1gpm→流量:1ガロン/分

・gpm(gallons per minute):毎分1ガロン(約3.8リットル/分)
・実際の使用状況を想定した流速で試験。

Capacity: 1000 gal→容量:1,000ガロン(約3,785L)

・試験で1,000ガロン(約3,785リットル)まで連続使用したという意味。
・NSF試験は、この容量に達するまでの除去性能を確認する。

Operating cycle: 50/50→運転サイクル:50/50

・50%運転 → 50%休止のサイクルで試験。
・実際の家庭での使用状況(断続的な使用)を再現するための条件。
つまり、まとめると・・・

▼測定方法
・2本のサンプルカートリッジを使用
・カートリッジ限界の3800Lまで汚染物質の入った原水を流し続ける。
・カートリッジを通過した水に含まれる汚染物質の濃度を検出
・家庭での日常使用に近い環境にする。(流量・稼働停止の繰り返し)

▼検証物質
以下の6種類でPFOSとPFOAは合計値(Combined PFOS/PFOA)として評価されている。
・PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)
・PFOA(ペルフルオロオクタン酸)
・PFDA(ペルフルオロデカン酸)
・PFHpA(ペルフルオロヘプタン酸)
・PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)
・PFNA(ペルフルオロノナン酸)

試験の概要

報告書の1ページ目には、下記の内容が記載されています。

A

[試験名]
PFOS/PFOA 除去テスト080124

B

[試験実施の背景]
・PFOS/PFOA汚染物質には多数の関連化合物が含まれており、それぞれ物理的・化学的特性や環境中の存在量が大きく異なる。
・毒性学的研究および社会的認識の高まりにより、これらフッ素化合物の潜在的な健康影響への懸念が増している。
・PFOS/PFOA化合物に関する理解と規制は急速に進展している。
・ゼネラルエコロジー社は、飲料水から特定化合物を除去するための予備調査を実施した。

C

[試験の目的・条件と評価基準]
・当社の「ストラクチャード・マトリックス」浄化技術の有効性を実証・文書化するため、独自試験を実施した。
・RS-1SGEカートリッジを使用したSeagullR IV浄水システムを用いた。
・試験は、NSF/ANSI Standard 53の「Total PFAS Reduction」プロトコルに準拠して行われた。

D

[試験実施期間]
NSFインターナショナルによって以下の場所で試験が実施されました。
NSF Laboratories
789 N. Dixboro Rd.
Ann Arbor MI 48105 USA

E

[NSF除去基準と対象物質]

F

[試験結果と評価]試験されたシステムは、カートリッジの定格容量1,000ガロン(3,800L)を通して、平均濃度1,400ng/LのPFOS/PFOA調整水と平均濃度1,820ng/Lの複合調整水を99%以上効果的に低減しました。性能結果は、すべてのRSタイプのカートリッジに共通なものです。結果は、水処理システム選択の際のガイダンスとして使用されるべきですが、特定用途における性能を保証するものではありません。

G

[シーガルフォーメーカー情報]

補足:試験における注意点・限界点

以下は、一般的な水の試験における注意点と限界点です。

ラボ環境と実使用の違い
試験はあくまで研究室の管理された条件下で行われています。実際の使用環境では、水の濁りや他の化学物質の混在によって、性能が変動する可能性があります。

評価対象は限定的
今回の試験はPFASに特化したものであり、他の有害物質や水質項目については別途試験データを参照する必要があります。また、環境条件によっては物質同士が結合したり性質が変化するケースもあり、その点は留意が必要です。

検出限界の存在
すべての試験機器には「検出できる最小値」が存在します。つまり、数値上で“100%除去”と表現されていても、実際には検出限界未満の微量が残存している可能性があることを意味します。完全除去を証明することはできない点に注意が必要です。

試験結果のハイライト・まとめ

5種類すべてのPFASについてほぼ100%に近い除去率を記録。特にPFOS/PFOA合計値では、原水中で検出された濃度に対し、浄水後は検出限界以下、または規制値を大幅に下回る数値となりました。

PFDA・PFHpA・PFHxS・PFNAといった、PFOS/PFOAの代替として近年使用が増えている次世代型PFASについても同等の性能が実証されたことは注目に値します。

シーガルフォーは、PFOS・PFOAをはじめとする複数のPFASをほぼ完全に除去できることが、NSFの試験で実証されました。ただし、このデータはあくまで特定条件下での結果であり、実際の使用環境での性能は水質やメンテナンス状況によって変わる可能性があります。

浄水器の性能を正しく理解し、自分の生活環境に合わせて選択・活用することが、安全な飲料水を確保するための第一歩となるでしょう。
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コピーライト:July 18、 2025