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エリア:神奈川 ジャンル:中華
1959年、横浜中華街に開業した重慶飯店は、日本に本格四川料理を根づかせた名店である。以来、四川の伝統と日本の食文化が交差する地で、味と空間の磨きを重ねてきた。2018年、創業60周年を機に建物を改装。7階建ての外装は香港の世界的デザイナー、アラン・チャン氏が手がけた。内装は階ごとに異なるコンセプトで構成され、男性的な重厚さを感じさせるフロアもあれば、女性的なやわらかさを基調とした空間もある。6・7階には「横濱賓館」と名付けられたフロアで、重厚な円卓、天井高を活かした照明や壁面装飾、曲線を多用した造作が、圧倒的な存在感と格式を生み出している。趣の異なる各フロアには、随所に店の歴史を感じさせるインテリアや調度品がちりばめられ、伝統を継承しながらも、現代的な洗練をまとう旗艦店として、家族の会食からフォーマルな宴席まで幅広く対応している。料理は、四川料理独特の「麻、辣、酸、甜、苦、香、鹹」という七つの味を軸に、「一菜一格・百菜百味」の理念に基づいて構成される。一皿ごとに素材の個性を際立たせ、伝統に根ざしながらも、時代の感性に寄り添った味づくりがなされている。看板料理「正宗麻婆豆腐」は、豚ではなく牛ひき肉を使用、花椒のしびれと辛みが複雑に重なり合う。四川火鍋や各種コース、子ども向けメニューまで揃い、世代や利用目的を問わず受け入れる懐の深さも魅力である。1階には中華菓子や調味料を取りそろえる物販コーナーもあり、訪れるたびに新しい発見がある。重慶飯店本館は、四川料理の正統を今に伝えながら、食と空間の進化を重ねる横浜中華街の象徴のひとつである。> 重慶飯店 新館個室レストラン