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安全な水を追い求めた探究者の物語 vol.3 ほとんど情報ゼロから ―開発者に会いに行く

1980年代、世の中には「浄水器=怪しい」の空気が残っていた。しかも、シーガルフォーを宣伝しようにも肝心のメーカーからの情報がほとんどない。「フィルターの平均関門が0.4マイクロメートルなんて、さすがに嘘じゃないの?」 ―そんな疑いさえ抱えながら、引地親子は開発者本人に会って“確かめるために”アメリカへ向かうことになる。

今回は、開発者に会う直前から、初めてメーカーを訪ねた日の空気感までを、引地代表の言葉とともに辿っていく。

インタビュアー(以下:聞き手)
グランドデュークス株式会社 代表・引地(以下:引地)

投稿日:2026.01.08   |  読了:3分  

「資料?……ほとんどない」から始まった

聞き手:初めてメーカーを訪問する前には、どれくらいの情報があったんですか?
引地:全然ない。(笑)
ストラクチャード・マトリックス」なんて言葉も、当時は出てきていなかった。

父も「物理的関門が0.4マイクロメートル」っていうのだって、ちょっと嘘だと思うと。
100マイクロメートルがすごいと思っていた時代に、0.4マイクロメートルって……そこからさらに1000分の4だから、にわかには信じられなかった。
聞き手:なるほど。「これは本当なの?」も含めて、確かめに行こう、という感じだったんですね。
引地:そうですね。

1枚のスペックシートだけが“頼り”だった

引地:これが当時のリーフレットです。

no holding time」って書いてあるでしょ。殺菌剤を入れると、ある程度時間を置かないと死なないけど、殺菌剤を使っていないから、待ち時間がない。

それから「no electrical connections required」。電気の接続もいらない。

work from 20 psi」たった20psiの水圧さえあれば作動する。

で、「Installs quickly

”home handyman kit“で簡単に取り付けられる。
……まあ、実は日本では簡単に取り付けられなかったんだけどね。
で、水の出もいい、約4リットル出ると。
聞き手:うーん……本当にこれ1枚しかなかったんですか?
引地:はい。これはX1タイプで、製品ごとに1枚ね。このリーフレットには1987年って書いてる。こちらは1984年。
シーガルフォーの浄化媒体「ストラクチャード・マトリックス テクノロジー」なんて全然出てこないし、どうやって取れるかも書いてはいない。
いわゆるスペックシートなんです。
聞き手:メーカーのGeneral Ecology社では、今でもそんなに派手な宣伝をしてない印象があります。
引地:それは、家庭用じゃないから。航空機用の工業用製品だから。
聞き手:なるほど。だから当時も、一般消費者向けの丁寧な説明が揃っていたわけではなかった、と。
引地:そうなんです。それで確かめに行く必要があった。

(写真)当時の製品紹介リーフレットと、X-1タイプのリーフレット表面

初めてのメーカーへのアポイントメント

1987年。引地代表は父とともに、ハワイの代理店も交えて、初めてアメリカのメーカーを訪ねる。

聞き手:初めてメーカーにアポイントを取った時の状況は?
引地:私が取ったわけじゃなく父が取りました。ハワイの代理店も一緒に行ったんです。
聞き手:オフィスの雰囲気はどんな感じでしたか?
引地:今とほとんど変わらない。担当者も変わってないですね。
聞き手:開発者リチャード・T・ウィリアムス氏の第一印象は?
引地:正直、よくわからなかった(笑)。
時差ボケだし、専門用語は難しいし、初めての訪問だし。一回行って「全部理解できた」なんてことは、まったくなかったです。
聞き手:技術チームの方が他にもいらっしゃったんですよね。
引地:はい、今でもGeneral Ecologyへ行くと対応してくれるポール・マーフィーなど、それほど今と変わらない雰囲気でした。

(写真)ゼネラルエコロジー社の前で/シーガルフォーの開発者 リチャード.T.ウィリアムス氏

「行けば行くほど、理解が深まる」?その入口に立った日

引地:最初はわからなかったけど、行くたびに少しずつ理解が深まっていった。

帰国後に、化学辞典を買ってきて、わからなかった言葉を一つ一つ調べたり、メーカーとFAXでやり取りをしても理解しきれない部分は、次に訪問したときに、また何度も同じ質問をしていましたね。

(写真)ゼネラルエコロジーのオフィス内で談笑するシーガルフォー開発者たちと引地代表の父正訓

- vol.4ではメーカーを何度も訪れるようになった引地代表と、開発者との信頼関係が築かれるまで、をお送りします

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